27 Nov 2012

McKiney's POI(Portfolio of Initiatives)/マッキンゼーのポートフォリオ・オブ・イニシアティブ)を考える

マッキンゼーのPOI(Portfolio of Initiatives, ポートフォリオ・オブ・イニシアティブ)についてこのブログに来る方が定期的にいるようですが、本質的なところは提唱者でもある近藤ジェームス正晃さんの解説ないしMcKinsey Quarterlyが分かりやすいですが、自分の理解を詳述しておきます。

横軸:収益化のタイミング(事業特性によって幅は異なるので括弧内は一例)
・短期:1年以内
・中期:2~3年
・長期:5年~

縦軸:イニシアティブへのfamiliarity(親和性)
・Familiar:事業として詳しい分野で期待値が収斂する(例、既存顧客への既存事業=コア事業)
・Unfamiliar:詳しくないが期待値は一定の幅でコントロールできる(例、コア事業からの滲み出し or 既存顧客への新規事業展開)
・Uncertain:定義ができずどれだけ振れ幅があるかも分からない(例、新規客への新規事業展開)

基本的には、Familiarな分野で短/中/長期の偏りを避けてバランスを保つのが基本的な経営ですが、ただ、それだけだとfamiliar分野への一本足打法によるリスク(例、市場がdisruptive innovationsで一気にshrinkする、規制変更によりゲームのルールが劇的に変わる、等)を回避していくことができないため、そのために1.短期収益の必要性と、2.取れるリスクの総量、見据えつつUnfamiliar or Uncertain initiativesをポートフォリオとして組み込んでおくことで、事業あるいは会社全体でのリスクを減らすことができると思います。

実は、本質的に優秀な経営者はこれらを直感的に理解できていて、ただ、集合的にチーム経営を進めていく場合は、縦軸・横軸を社内できちんと定義(そのためには、How does a initiative contribute to profit and when? What are we familiar with and why?などの質問を細分化する必要がありますが)して、明示的に経営陣で共有して足並みを揃え、方向性を合致させ組織力を効かせるというのが王道かと思います。

ちなみに、このフレームワーク、個人の人生のポートフォリオを検討する上でも結構使えたりするものだと思っています。

DigitizationとThe Internetにより「戦略」というものの意味が拡散し始めたころの記録として、後に読まれる価値はあるかもしれませんが、結局は直近のMcKinsey Quarterlyからの抜粋翻訳なので、Historically provenでもないものが載ってしまっているのも事実でしょう。Portfolio of Initiativesは個人的には好きなフレームワークですが、これも残らないんでしょうかね。

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