4 Oct 2012

IELTSとTOEFLの受験手順の比較

IELTSとTOEFLをそれぞれ複数回受験した身として、受験者の視点から見た違いを申し込みからのプロセスにのっとって浮き彫りにしたいと思います。

■日程・会場選択・申込期限
TOEFLは柔軟ですが、IELTSは自由度が低いので注意が必要です。

会場選択では、TOEFLは東京でも複数から選べたりしますが、IELTSだと東京・横浜の二択になります。日程については、会場の多さもあり、TOEFLの方が選択肢が多く用意されています。さらに、TOEFLは会場の空きがあれば数日前まで申し込めるのに対して、IELTSは最短でも五週間後の試験しか申し込めないため、IELTSの受験について前々からの計画が必要です。

さらに、IELTSのSpeakingは東京だと翌日(主に日曜日)に実施されることが多いようなので、受験票が届く数週間前まで翌日の予定を開けておかないといけなく、その意味でも、事前のスケジューリングが重要になります。

■受験料支払い・申込手続き
どちらもオンラインでクレジットカード情報を打ち込めば完結します。直接カード情報を取られたくない場合は、TOEFLはPaypalが、IELTSはコンビニ支払・銀行振り込みが利用できます。(2012年9月現在)

ただし、IELTSは、これまたこのご時勢に、眼鏡を外した本人写真二枚と、パスポートコピーを郵送して申し込み完了となりますので、その手間がかかります。

TOEFLはこの時点で、結果を送りたい大学・院を5校無料で選ぶことができますが、IELTSはあくまで事後に依頼(通常郵便なら結果開示後30日以内は無料、ただし書留だと1,500円かかる)するようです。

■日程変更・キャンセル
こちらも、TOEFLは柔軟ですが、IELTSは自由度が低いです。TOEFLだと、三日前までは一定額(60ドル、2012年9月現在)を支払えば日程・会場変更ができますが、IELTSは5週間前までしかできず、その後の変更やキャンセルは一切受け付けてくれないとのこと。おかげさまで、二回分の試験料約五万円を英検に寄付することになりました。。。これはIELTS、というか日本の英検協会のオペレーションを改善してほしいところです、委託側のCambridge?に文句言うべきですね。

■当日試験会場にて
TOEFLはパスポート見せて、情報非開示の誓約書を書いたらすぐには入れるので楽ですが。IELTSはパスポートを見せるだけでなく、2012年より写真撮影・指紋認証というプロセスが導入されたため、試験前に時間がかかり、最初に入った人は1時間+α待たされるという悲惨な事態になることもありました。

ちなみにこの写真撮影・指紋認証ですが、IELTSが英連邦諸国の移民申請に使われているところ、中国系の不正受験が後を絶たなかったため、グローバルに一括して規制強化となったらしいです。。。

■問題内容
TOEFLはマウスで回答をクリックないしキーボードでタイピングですが、IELTSは全て鉛筆(シャーペン禁止)で手書きです。問題形式の違いの詳細については、前のエントリにセクション別にまとめてありますので、こちらをご確認ください。

■試験時間
TOEFLはサーベイとかによると順番の変更も検討されているようですが、2012年9月現在ではTOEFLおよびIELTSは、東京会場では、それぞれ以下の順番でこなします。

TOEFL
Reading: 60分(早く終われば先に進めるが、時間は持ち越せない)
Listening: 60分(早く終われば先に進めるが、時間は持ち越せない)
Speaking: 20分
Writing: 30分×2(一つ目が早く終わっても二つ目の時間は増えない)

IELTS
Listening: 30分+回答を写す時間10分
Reading: 60分
Writing: 60分(Task二つで60分なので、時間配分が可能)
Speaking: 15-20分(東京だと翌日のどこか、会場も筆記試験とは別の場所)

■結果開示
TOEFLのオンライン結果開示は2週間以内とされていますが、ばらつきがあり、最短で三日、最長で2週間を超えて17日くらいかかったことがありました。

一方でIELTSは、試験13日後(試験がだいたい土曜日なので金曜日夕方)にオンラインで見られるようになり、同日に郵送されているようで、月曜日に手元に紙のスコアレポートが届きました。前述のように、試験結果を送る先をこの後で選択しますが、通常郵便なら結果開示後30日以内は無料であるものの、郵便記録を追跡できる書留だと1,500円かかるようです。

■まとめ
運営に関しては、選択の自由度が高いTOEFLと、いちいちお役所仕事で固いIELTSですので、これは完全にTOEFLに軍配が上がります。ただ、試験自体の負荷はIELTSの方が時間も短くモニターでなく紙に向かうので疲労度が小さいものの、IELTSはスケジュールが細切れにブロックされるという点で痛み分けというところでしょうか。

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