22 Oct 2011

生保再建(著:千代田生命更生管財人団)

千代田生命更生管財人団
東洋経済新報社
発売日:2002-04

2000年に経営破綻した千代田生命の管財人となった弁護士のチームがその話を換骨奪胎して共有可能な小説に仕立て上げた本ですが、小説というよりは法律家管財人から見たケース・スタディとして勉強になりました。

詳細な技術論・法律論の記載はありませんが、AIG(作中ではGIC)との交渉を中心とした、管財人チームのチームアップとセルサイドDDプロセスを回すにおける各種プロファーム(リーガル、FA等)の使い方と勘所は参考になります。一方、事業面については(事業)管財人としてAIGから派遣されてきたチームに任せきりだったようでそちらの施策や進め方については殆ど記述がなく、ターンアラウンド・ケースとしては片手落ちなのが残念なところなので、星を一つ落とさせて頂きます。




18 Oct 2011

チッソ支援の政策学―政府金融支援措置の軌跡(著:永松 俊雄)

公害という外部不経済の問題に対して、チッソという具体的な事例でどのように国・県・当事者企業・被害者というアクターが関わりあって政策を形成していったか(国と県との間のやり取りが本書のメインではありますが)を理解するのに非常に役に立つ良書です。

水俣病という問題が発生後しばらくして原因企業として特定されたチッソが経営不振になり、各種議論の上県債というルートで公的資金を注入し、その後患者支援が安定化して患者補償金よりも積み上がった公的債務償還金が上回るようになり、金融支援(低利借換え、利払い繰延等)を実施するに至る、といった流れを具体的な数値と制度・スキームの解説と共に概観することができます。

筆者の永松先生は一般化、理論化に対しての心残りを結語にも書かれていますが、一般化・抽象化してかえってわかりにくくするよりも、非常に優れた類まれなるケース・スタディとして、次世代の政策策定・決定者の研修等に使われて然るべきクオリティだと思います。余談ですが、法律や政策系の大学・大学院で、アクターごとにチームを作って議論をさせると面白いのではないでしょうか。

そのうち、今回の東日本大震災に伴う東電への支援措置との比較をまとめておこうと思います。



11 Oct 2011

Think Different

このキャンペーンについてエントリするのは多分3回目ですが、スティーブ・ジョブズがナレーションをしたバージョンを知りました。読み方として、最後の"do"を強調しているのがとても印象的です。



実際に放映されたバージョンはこちらのようです。


"Here's to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers. The round pegs in the square holes. The ones who see things differently. They're not fond of rules, and they have no respect for the status quo. You can quote them, disagree with them, glorify and vilify them. About the only thing you can't do is ignore them because they change things. They push the human race forward. And while some may see them as crazy, we see genius. Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do."