29 Aug 2005

公職選挙法~郵政解散(6)~

公職選挙法を見てみた。

第146条(文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限)
何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第142条(文書図画の頒布)又は第143条(文書図画の掲示)の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。

ブログってどこまで撤去され得るんだろうか。

一応過去のエントリーを見てみたら、郵政解散シリーズの1,2,5は財政運営のレポートであり、4は客観的な政策分析レポートだから問題なさそうだが、3(広島6区の趨勢について)はグレーだし、6(政党CMについて)は多分、「政党」を「支持し」ている「文書図画」になるっぽい。後は、「頒布し又は掲示」の解釈次第だな。

撤去については、都道府県または市町村の選挙管理委員会が可能なようだ。立法目的は、「著述、演劇党の広告」が挙げられていることから、別手段を利用した多数への推薦の禁止なんだろうから、実名出して書いている人気ブログとかは気にしないといけないんだろう。ただ、どこの選管がこれを取り締まるんだろうか。サーバーのある地域かな。記入者の居住地かな。
第147条(文書図画の撤去)
都道府県又は市町村の選挙管理委員会は、次の各号のいずれかに該当する文書図画があると認めるときは、撤去させることができる。この場合において、都道府県又は市町村の選挙管理委員会は、あらかじめ、その旨を当該警察署長に通報するものとする。
1.第143条(文書図画の掲示)、第144条(ポスターの数)又は第164条の2(個人演説会等の会場の掲示の特例)第2項若しくは第4項の規定に違反して掲示したもの
2.第143条第16項に規定する公職の候補者等若しくは後援団体が当該公職の候補者等若しくは後援団体となる前に掲示された文書図面で同項の規定に該当するもの又は同項の公職の候補者等若しくは後援団体に係る同条第19項各号の区分による当該選挙ごとに当該各号に定める期間前若しくは期間中に掲示したポスターで当該期間中において同条第16項の規定に該当するもの
3.第143条の2(文書図画の撤去義務)の規定に違反して撤去しないもの
4.第145条(ポスターの掲示箇所等)第1項又は第2項(第164条の2第5項において準用する場合を含む。)の規定に違反して掲示したもの
5.選挙運動の期間前又は期間中に掲示した文書図画で前条の規定に該当するもの

ただし、新聞と雑誌については報道及び評論の自由を担保している。「事実
を歪曲して記載」しているような新聞・雑誌はたくさんありそうだが。
第148条(新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由)
この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(第138条の3(人気投票の公表の禁止)の規定を除く。)は、新聞紙(これに類する通信類を含む。以下同じ。)又は雑誌が、選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものではない。但し、虚偽の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。

26 Aug 2005

プライマリーバランス黒字化~郵政解散(5)~

郵政民営化で国債発行にディスプリンが効くとしても(あやしいが)やはり選挙の本質的な争点は財政改革だろうと、財政学の試験勉強も兼ねて勉強。

まず、2005年度の一般会計予算のおさらい。15.9兆円の赤字状態から開始。想定以上にシビアな結果になった。


その上で、政府・自民党が掲げている「2010年度のプライマリーバランスの黒字化」の実現のために、現実的に数値を動かしてみた。確かに現状から歳出2割強をカットすれば実現はするのだが、もう少しシビアに考えてみた。

■歳入
・所得税(+2.6兆円)、法人税(+2.3)、その他税(+1.8)を2割増
・消費税を倍増(消費税10%導入、+10.2兆円)
■歳出
・社会保障費(年金・医療・介護etc)を3割増(+6.1兆円)
・公共事業を3割減(-2.3兆円)
・地方交付税交付金を2割減(この分の地方財源については放置、-3.2兆円)
■その他の想定
・国債費1割増(金利上昇による利払費増、+1.8兆円)
という「増税(+16.9兆円)+歳出微増(+0.6兆円)」によって、ようやく「プライマリーバランス黒字」を達成。

国民負担率にいける租税負担率は現状21.5%の+5ポイントを見積もっても、まだOECD比較では低水準になる。※黒字幅は0.3兆円が正しい、上記0.1兆円は計算ミス

ちなみにこの作業は、財務省のゲームでもできる。民主党マニフェストだと、3年間で
「マニフェスト政策実施のために約7兆円を充当する一方で、
  ・国の直轄公共事業半減(1.3兆円)
  ・国家公務員人件費総額2割減(1兆円)
  ・特殊法人向け支出半減(1.8兆円)
  ・現在の個別補助金の一括交付金化に伴う2割減(2.8兆円)
  ・税源移譲に伴う交付税削減(1.7兆円)
  ・その他経費の1割削減
  ・特別会計の徹底的な見直しなど
によって、17兆円の既存経費カットを実現します。」となっていて、火急な増税
はしない(当座の年金目的消費税3%は除く)としているが、どちらにせよいずれ
必要になるだろう。

自民党マニフェストだと過去5年間で10兆円削減の実績には触れているが、具体的な今後の削減案には触れていない。政府税調の発表はどうなるのか。


これを5年で達成するとなると、おおよそ05年度発行35兆が10年度には20兆へ
減少して積み上がりが止まるので、線形減少で考えるとプラス145兆といった
ところだろうか。さらに、2005年3月末現在の国の借金残高を見ると、
      発行残高 前期末増減
国債     626.4   69.9
借入金     59.1   -1.5
政府短期証券  96.1   10.0
政府保証債務  58.1   -0.2
合計     839.7   78.2
となっているので、1000兆円前で残高が横ばいになるはず。個人金融資産が1400兆円の国家において、これはどれぐらいの水準になるのか。75%を超えたくらいか・・・まぁ法人金融資産もあるが、一斉の国債売りが起きるような水準がおそらく国家としてのbankruptcy pointになるだろう。

そのポイントを理解して、どこまで政治で争っている「余裕」があるのかを見極めてから今回は投票したいなぁ。とか考えていたら、やたら国債やらの残高伸び額が一般会計に現れる部分より大きい。そうか、特別会計の分かと考えて、特別会計の歳出総額を探したら、411.9兆円。明日は財政学のここらへんを復習せねば。財政は広い。

23 Aug 2005

政党ポジショニング~郵政解散(4)~

「候補者主張による政策ポジショニング」というテーマ設定で、文学部の授業向けにレポート作成。2単位げっと(のはず)。

  1. 候補者向けのアンケート※から政策主張への賛否の部分を抽出する
  2. 主成分分析にかけて、面白そうな2軸を取り出す
  3. 2軸による平面に各党候補者をマッピング、傾向を見る

データ元:2003年衆議院総選挙前の集補者向けのアンケート<ココ

20の政策主張への評価に主成分分析をかけることで、少ない数でより説明力の強い成分を取り出し、上位2成分に
 ・第1軸:値が大きいほど「対外弱気・軍拡反対」
 ・第2軸:値が大きいほど「小さな政府・役割限定」
とうまく意味づけすることができたので、その固有ベクトルと各候補者回答を掛けて2パラメーターを抽出し、その2パラメーターマッピングした。これまでに学んだ統計知識を使って、それなりのマップが出来た。
2003年衆議院総選挙前の候補者アンケートによる政党ポジショニング(主成分分析)

公明党は、ボードを握っている政党として、民主党と自民党の間の極めて合理的な立ち位置だと考える。ここで想定以上に自民候補者の広がりが大きかったので、連続的な数値を5×5の
マトリックスに分けて、人数を三次元ヒストグラムにして見てみた。

自民党・民主党候補者のヒストグラム

以前蒲島先生の記事で見たような形では民主党に複数の頂点は出来ず、政策的な違いを除けばあまり自民と変わらない分布形になっている。今回選挙でも同様の調査をやることで、さらなる変化を追うことが出来る。おそらく自民はより「小さな政府」志向になっているはず(べき?)だろうし逆に、広がりは狭くなっているかもしれない。

今後は、自民・民主ともに幅広い支持層を獲得しようとする結果政策主張の幅が広がり、二大政党へと歩みを進める一方で、本質的に国民の選択肢となるべく、「対外強気・軍備増強or対外弱気・軍拡反対」「大きな政府・役割維持or小さな政府・役割限定」という政策の2×2マトリックスからポジションを定め国民に選択を迫るような政界再編が、今後の日本政治において望ましいだろう。

20 Aug 2005

「敵」に塩~郵政解散(3)~

話題になっている小選挙区広島6区。

前回総選挙では、
当選 亀井 静香  67 自民  前 117659 (9回目)
比当 佐藤 公治  44 民主  前 100677 (2回目) 重複
   寺田 明充  52 共産  新  10846
という結果だった。

ここでポイントなのがこの地区の比例区得票数で、ざっと計算すると
民主:8万、自民:8万、公明:4万、社民:1万、共産:1万となっている。
これを前提に、複数シナリオをシミュレートしてみる。

A)亀井(自民非公認)vs佐藤の一騎打ち
自民支持層(ロイヤリティが高く前回「比例は公明へ」を守った組織票的4万票とそれ以外の8万票)が自主投票になり、佐藤が基礎票として9万票(民主+社民支持層)持つことから、自民支持層の8万票の部分から20%の造反があれば(亀井と党本部との対立を考えれば十分にありそう)、佐藤が当選することになる。

B)自民党が公認で新人を投入
民主支持層8万票を部分的に食うことができるかもしれないが、例え20%を食って、かつ党公認を元に組織票的な4万票を確保したとしても、残りの流動的な自民支持層8万票を現職9選の亀井と奪い合って3割以上を確保できないと負ける。亀井は8万のうち9割以上を確保すると当選の目があるため支持拡大を図るだろうが、7割以上確保したら共倒れになる。佐藤は、8万×80%+1万=7.4万+αの得票を期待できるため、「漁夫の利」を得る可能性が高い。

C)無所属の堀江社長投入
この場合、1)と同様自民党支持層は自主投票となる。この時に、彼らは亀井・堀江・佐藤から誰を選ぶのか。また、民主支持層はどのように動くか。ここで、広島6区の有権者は三原・尾道市というそこそこ大きい市部(2市で有権者14万)をのぞいて、20万は小さな市町村に分布しており、殆どは亀井が前回勝っている。このように比較的小さな市町村に分布する自民支持層が、堀江に動くとは考えにくいし、自民党県連が「誰を応援しても問題ない」と安堵しているようだと、彼らの多くが亀井に投票して、結果、亀井は7-8万票を確保するのではないだろうか。さらに、民主支持層が多い都市部を中心とした選挙運動を堀江が展開したとしたら、佐藤と堀江が食い
合ってしまい、見事に「漁夫の利」を得るのは亀井になる。

広島6区は、都市部の支持だけで勝ち抜ける選挙区ではない。そこで、都市部に強そうな堀江を投入したことは、結果として亀井に塩を送ることではないだろうか。自民党執行部からすれば(小泉の意向はともかく)、野党の民主党候補よりも、今後再度一緒にやれるかもしれない人を考えた結果なのかもしれない。それだけでなく、「自民公認」にしていたら、6区を取れたとしても全体の趨勢についてダウンサイドリスクが大きい気がする。

いろんな要素を考え、ある意味、今回総選挙では広島6区は「捨てた」のだろう。静的な予想だけでこれだけ考えられたので、これからのダイナミックな選挙戦の動きを楽しみにしたい。

18 Aug 2005

自分を処する

何かを調べて、頭の中で整理して、文章として吐き出すことが楽しい。
最近の都議選とか郵政民営化関連のエントリーとかまさにそうだけど。
これが続くのなら、研究とか文筆活動も性に合っていると思う。

日経新聞の秋採用でも考えようかなぁ・・・とまでは考えないけれど。

さて、題名。
シソーラス(類語)検索では、一番上に「決める」「決定する」。
英辞郎on the webでは、身を処するで"conduct oneself"。
Excite辞書では、「(「身を処する」の形で)状況に応じた行動をする」。
一番最後のが一番伝えたいニュアンスから遠い。"conduct myself"ってのも
なんかいい。でも、「自分を決定する」ってのがいい。シソーラスは偉大だ。
「自分で決定する」「自分が決定する」ではなく、「自分を決定する」。
何が言いたいかというと、「強さ」って「自分を処する能力」なんかなと。
そして、「突き放す優しさ」って、「自分を処する」ことができないと、
得られないのではないかと。最近そう思うのです。

17 Aug 2005

郵政公社~郵政解散(2)~

財政改革と郵政民営化の補論。

総務省が郵便貯金の中長期的資金運用ポートフォリオを出している。
それによると、
 国債・・・80%  ■■■■■■■■■■■■■■■■
 外国債・・・5% ■
 外国株・・・5% ■
 国内株・・・5% ■
 短期資金・・5% ■
と、ほとんどが国債で運用していくらしい。本質的に変わらないやん。

また、財務省の資料だと、H15-18における資産構成計画は
■郵便貯金
 ・国内債券を基本とする
 ・国内株式概ね2%以下、外国債券概ね3%以下、外国株式概ね1%以下
 ・上記3つ合計でも概ね4%以下
■簡易保険
 ・国内債券 80%
 ・外国債券 2-6%
 ・国内株式 2-6%
 ・外国株式 0-3%
 ・短期運用 0-10%
となっている。まあ、ほとんど変わらない。
じゃあ実際はどうなっているのかと、郵政公社に飛んで現在の資金運用状況を概観する。以下の数字は2005年6月末現在のもの。

■郵貯資金(211兆円)
 国債・・・・52.7%
 預託金・・・33.0%
 地方債・・・4.4%
 社債・・・・3.7%(2.3%は公団社債)
 貸付金・・・2.0%(1.6%は地方公共団体)
 外国債・・・1.4%
 その他・・・2.8%
郵政公社後を追ってみても結局、
郵便貯金の資産運用推移(2003年4月末から2005年6月末)
となっており、全体のボリュームを減らしながら預託金が国債への運用に替わっていき、結局85%前後は国の資金であり続けている(預託金は財政投融資預託金であるため)割合としては変化していないことがわかる。これが、民営化(株式会社化+株式公開)したとしても、
民間への資金環流に変えられるのか?
それだけの運用能力を持っている、もしくはこれから身に付けられるのか?
また、これだけの国債を国債市場で売っても、日本財政は大丈夫なのか?

■簡易保険(119兆円)
 国債・・・・49.3%
 貸付金・・・20.5%(16.8%は地方公共団体)
 社債・・・・15.8%(13.3%は公団社債)
 金銭信託・・7.0%
 地方債・・・5.1%
 外国債・・・1.4%
 その他・・0.9%
こちらは疲れたのでまた次回。とりあえず、どうやったら財務省・政府へのディスプリンが効くようになるのかのストーリーは、まだ、全然見えない。

16 Aug 2005

「反自公」協力~都議選(4)~

共産党がもし都議選での全候補出馬を見送り、民主党と「反自公」で一致協力していたら。そんな、無謀な仮定の可能性を検討してみる。

■民主党の「躍進」
まず、過去の自民党対民主党の流れをおさえておく。
1997年、2001年、2005年都議選結果の比較

01年都議選(小泉政権直後)で自民党は確かに勝率(立候補者のうち当選者の割合)と得票率(総有効投票数中の総得票数の割合)を伸ばした。しかし、その一方で裏では民主党が確実に勝率を伸ばしていた。

そして、今回の05年都議選では民主党は、03年の自由党との合併もあってカバーできる範囲を広げ、勝率は上がらなかったが、結果として多くの議席を確保することができ得票率は倍増に近い伸びを示した。自民党が得票率と勝率を下げた一方でこれは「躍進」と言っても過言ではないだろう。

■「反自公」仮定
ここで、全選挙区に候補者を出しており、都議会では第四党となっている共産党の存在に注目してみたい。同党は、97年都議選では44候補者中26名を議会に送り込み第二党となったが、01年都議選で15/44と大きく議席を減らし民主党の成長もあり第四党となっていた。同党が、趨勢を見極め、政策主張的な一致点は少ないものの、あえて「反自公」ということで民主党と選挙協力
を結んだら、今回選挙結果はどうなっていたか。

ここで、選挙協力の結果として、共産党候補者へ投票した人のうち
・50%は選挙協力の通り民主党候補者へ投票
・20%は自民・民主・公明以外の候補者へ投票
・30%は棄権
という投票行動を取ると仮定した。

すると、42選挙区中24選挙区では変化がなかったが、残りの選挙区では以下の議席の移動が推定された。
 共産→ネットワーク 3(大田区、日野市、八王子市)
 共産→自民 4(江戸川区、足立区、杉並区、板橋区)
 共産→民主 5(練馬区、北区、中野区、世田谷区、新宿区)
 共産→無所属 1(文京区)
 自民→民主 3(荒川区、品川区、西多摩)
 無所属→民主 2(三鷹市、府中市)

以上をまとめると、以下の票のような効果が推定される。
都議選分析4

■まとめ
民主党は10議席をさらに上乗せできるが、これでは「反自公」として自公を覆すほどの規模には到達しない(政党間で議会協力をした方がまし)。さらに、仮定の数字の見積もりの甘さも考えられるし、今回の仮定では無視したが、実際には共産党と協力することで従来の民主党支持者が反発するというマイナス要因も考えられるので、結論としては、この「反自公」協力の
枠組みは、民主党として取るべき方向ではない。

12 Aug 2005

財政改革と郵政民営化~郵政解散(1)~

財政学でもらった数字を元に、郵政民営化の本質について考えてみる。

財政改革の本質を「プライマリー・バランス」を目指すこと、すなわち
国債発行収入と国債償還・利払い費用を差し引いた国家財政の収支安定化
だとすると、そのための方向性として考えられるのは次の三点だ。

すなわち、

  1. 税収を中心とした収入を増やす
  2. 一般歳出を削減する
  3. 地方交付税等の配分を削減する

のどれかになるだろう。こうやってプライマリー・バランスを黒字化して初めて、700兆円を超えるという借金を返せる体質になる。その過程の中で、郵政民営化の意味合いはどこにあるのか。

郵政民営化の本来の目的は、郵貯+簡保マネーに市場のディスプリンを効かせることで、安易な赤字国債購入を許さない、すなわち財務省・財政投融資あたりにディスプリンを効かせて、究極的には2.一般歳出の削減を達成することなのだろう。例え現状の郵貯・簡保マネーが巨額の国債・政府貸付で事実上凍り付いていても、今後のこれ以上の資金流入を防ぐことが出来る。

 (但し、これ以上郵貯+簡保が増えないとこの議論は無意味。増えないと
 仮定すると、民営化に関わらずにこれ以上の国債購入は困難なのだから、
 (すなわち、郵貯+簡保への資金流入が小さくなることが、結果的に上記
 ディスプリンと同じ効果を生む)むしろ民営化により「利益=運用益」を
 目指すためには、運用可能な資金が少ない点から、少しずつ国債を売って
 資金調達せざるを得ない巨大「日本売り」金融機関が出来るだけだろう。)

これは、国債買い手資金の抑制であり、結果的に国債売りはより高い利率にさらされ、国の運営のための資金調達として厳しいものになり、一般歳出や財政投融資への抑制効果を生む可能性はあるかもしれない。が、また一方で、1.税収増大へと向かう可能性もある。

つまり、「この国のカタチ」となる方向性はまだ確定していない。財政改革って究極的には「あるべき国のカタチ」を問うことだと思っていて、
・高負担+高保障の「福祉国家」
・低負担+低保障の「小さな政府」
のどちらなのか、それを国民1人1人が選択する必要があると思う。

(論理的にはあり得る高負担+低保障の国家では民意が永続きしない
 だろうし、低負担+高保障の国家ではすぐに財政が破綻する。)

また、そういった「国家観」が定まって始めて、プライマリー・バランスの規模や、今後の国債発行高をどのように抑えていくかといった議論ができるだろう。現状の国会の議論は本質を突いていないことを痛感。その意味では、自民党と民主党が、選択肢として明確に分かれるのが理想。

でも国民の意識が中道(どっちつかず)の分布だと、分かれはしないはず。こういった理想論とは別に、一時期の高負担+低保障路線でとりあえずはプライマリー・バランスを安定させる最短経路を計算して、安定したとこであらためて議論、というのが現実的な政治解かもしれない。

早々と「選択」をするか、高負担+低保障に耐えられず覚悟を決めるか、国家財政破綻を迎えても地域を活かすカタチで生き延びていくか。結局は、1人1人の有権者が、覚悟を決めるしかないのかなぁと。

5 Aug 2005

白帯


ようやく届く。二本来たので一本は親に譲る。

たまに付けて外出するが突っ込みは少なく、見かける同志はもっと少ない。
ちと残念。